いずれの作品も、当時ニュースになり世間を賑わせた事柄が元になっています。また、最も単調かつ強烈で鮮明な対比である黒と白の線は、こうした線と油と水との分離に重きを置き、水シミが不細工な状態を表現しています。一層ずつ磨き上げた技術を、光るまで磨いたキャンバスの上に描いており、光が反射してなめらかなテクスチャを出している作品の中で、明るく美しい外見の内側に外面と違う別の価値や意味があるのか否かを伝え、暗示しています。
「船をひっくり返した亀」というこの作品のように、ある人が木柵動物園のアフリカ動物区で一匹のゾウガメにぶつかり、ゾウガメが仰向けになってしまったことがありました。それを見た仲間が助けに来て、わずか20秒で元の体勢に戻してあげていました。偶然なことに、その日がちょうど私の誕生日だったため、ピンク色の線でこの感動的な出来事へのお祝いの気持ちを表現しました。動物の間でさえこんなにも愛と義理があるのですから、人間はどうでしょうか?